『世界見て歩き』は、1990年代後半~2000年初め頃の学生時代の旅の記録が主な内容となっています。情報は古く、内容も青臭いですが、思い出に残してあります。写真は、当時フィルムカメラで撮影していたので、少ない枚数の中から選んだものです。日付入りだったり、そうでなかったりしますが、どうぞご了承ください。

サモア島滞在記2

Traveled in: 1998年 08月
Place:

20081014-samoa08.jpg
食事様式は、普段は机と椅子でとるけれど、何かの儀式や来客時にはゴザの上にあぐらをかいて食べます。食事の前に必ず祈り、夕食の前にはマタイ(お父さん)を囲んでお祈りをしてから歌います。その内容は神への感謝です。「今日一日、家族が元気に過ごせてありがとう」「おいしい食べ物をありがとう」という気持ちで。宗教に関係なく、こういう気持ちは日々持っていたいなと思いました。

20081014-samoa30.jpg
ある日の夕食

夕食のとき、一緒に食べない末娘のバレに「なんで、食べへんの?」と聞いたら笑って「ダイエット!」と言っていたけれど、実はこれもサモアの文化なのです。まず、その家の両親と客人である私が食べて、そのおさがりを年齢順に子供たちが手をつけるということでした。全部食べないと失礼かな、なんて思うことは間違いで、残すことがマナーなのです。でないと、下の子達まで食べ物がいきわたりません。主食はタロイモやヤムイモ、パンの実を蒸し焼きしたもので、その他にはツナ缶や魚などあらゆるものにココナツミルクを加えます。

20081014-samoa15.jpg
日曜日の朝5時頃から、男性たちはウム料理(石蒸し焼き)とココナツミルクを一週間分作ります。ココ椰子の実の果汁をとりのぞいた後、コプラ(白いゼラチン状のもの、美容にいいといってみんな食べていました)をそぎ取り、それをココ椰子の繊維でもみ絞り、液体にします。お手伝いしたけれど、ココナツ好きの私は、つまみ食いばかりしていました。サモア滞在中、お通じがよかったのは、ココナツのおかげです。

20081014-samoa27.jpg
市場で売っていたウム料理

ウム料理はパンの木の実、豚、魚、バナナなどをココナツの葉で包んで、それらを石を積み重ねて火をつけた釜に1時間くらい放り込んで出来上がりです。土器技術をもたないポリネシアならではの、焼き石を用いた料理法なのだそうです。

20081014-samoa29.jpg
これは、最後の夜にふるまわれたご馳走です。さすがに豚の丸焼きには驚いたけれど、贅沢品でもてなしてくれた心遣いが嬉しかったです。葉っぱでくるんであるのがウム料理です。

20081014-samoa03.jpg
20081014-samoa02.jpg
市場の様子